だけど

穏やかな陽は射し込んだ
こんなところにも
全てが平等にきているのだろう

だけど ここじゃなかった
あの酔いどれ浮浪者たちも
だけど ここじゃなかった
間違いだらけのこの陽気

ただ風は流れていく
こんなところにも
良くも悪くもなくそのままなのだろう

だけど ここじゃなかった
あの埃まみれの鳩たちも
だけど ここじゃなかった
でたらめだらけの渇いた風

変わる景色

どこいった

あの本屋
いつもニコニコしていた本屋のおやじ

どこいった

あの黒い喫茶店
いつも美味しかったコーヒーの味

どこいった

あのレコード屋
初めてローリング・ストーンズを買った店

どこいった

あのパン屋
空いた腹の中で膨らんだ安いパン

どこいった

あの靴屋
あの頃買った靴はもうボロボロになった

どこいった

あのジーパン屋
僕は少し大きくなってジーパンが窮屈

どこいった

僕はまだここにいるのに
もっと本を読みたいのに
朝のコーヒを飲みたいのに
新しい歌を聴きたいのに
安いパンしか買う金がないのに
靴が擦り減ってみすぼらしいのに
ジーパンが張り裂けそうなのに

僕はまだここにいるのに

どこいった
全部どこいった

僕はまだここにいるのに

どこいった
みんなどこいった

酔っぱらい

うろつく街
立ち小便
立ち尽くしたままの夢の中
遠い朝を蹴飛ばした

全て俺
ボケた頭
眼を開けたままの夢の中
狂気の夜を抱きしめた

ああ 何もかも見えないけど
ああ 何もかも真実で

ああ 何もかも見えないけど
ああ 王様の夜

ある夏の夜

君と踊れない
こんなに暑い夏なのに
君と踊れない
とても永い夜なのに

僕はイライラ
こんなに暑い夏
僕はムシャクシャ
とても永い夜の隙間で

君を抱きしめたい
こんなに暑い夏だから
君を抱きしめたい
とても永い夜だから

僕はまともだ
こんなに暑い夏
僕は笑いたい
とても永い夜に一晩中

七月を待つ

湿った六月を通り抜け
窮屈な陽が射す七月を待って
僕はこなごなになる

憎い六月に爪を研ぎ
嵐の吹き荒れる七月を待って
僕は牙を剥く

何もない六月に涙して
せつなさが胸を刺す七月を待って
僕は涙をふく

ありふれた六月を通り抜け
重い荷物を捨てさりたい
僕は七月を待つ

野良犬は飼い犬になれますか?
飼い犬は野良犬になれますか?

ここではそうはいきません

一日が十六時間しかなかったら
僕はもっとも野良犬だ

言葉#2

いつも愛なんて言葉ではわからない
語ることはできるのだけど
いつも怒りなんて言葉ではわからない
語ることはできるのだけど
飾りをいっぱい付けて
笑ったふりをしながら
語ることはできるのだけど

いつも僕のこと言葉ではわからない
語ることはできるのだけど
称賛したり
けなしたり
飾りは山ほどあるのだけど
いつも僕のこと言葉ではわからない
たかが言葉なのだから
どうせ言葉なのだから
だから言葉なのだから

一週間

日曜日 寂しくなる
月曜日 どん底だ
火曜日 少し慣れる
水曜日 空っぽだ
木曜日 イライラする
金曜日 ほんの少し力を入れた
土曜日 ちっぽけな自由

日曜日も
月曜日も
火曜日も
水曜日も
木曜日も
金曜日も
土曜日も
へったくれもない

自由へ 自由へ 自由へ
たかが一週間

自由へ 自由へ 自由へ
一刻も早く

気の早い一日

もう春だから
ずっと先の夏を想い
せつなさに胸を詰まらせる
ああ、なんて気の早い一日だろう
まだ春なのに
風はこんなに冷たいのに

もう春だから
夢は少し暖かく
悲しみをゴミ箱に捨てた
ああ、なんて気の早い一日だろう
まだ春なのに
風はこんなに冷たいのに

明日にまかせて

明日、後悔しようか
明日にまかせてしまおう
今、酒におぼれてこのままで
衝き刺さる酔いのまま
違う世界の扉をたたく
また後悔しようか
とてもちっぽけな後悔を

ただそれだけで済むことだ

明日、後悔しようか
明日にまかせてしまおう
今、夢を見ていたい
何でも見える王様だ
間違っていようがそれもいい
また後悔しようか
とても空しい後悔を

ただそれだけで済むことだ

いい歌を歌えたら
僕はきっと狂っていられる
悲しい歌を歌えたら
僕はきっとやさしくなれる
あの娘のための歌を歌えたら
僕はきっと大人になれる

楽しい歌を歌えたら
僕はきっと楽になれる
涙で歌を歌ったら
僕は何も見えなくなるだろう
涙で歌は歌えない
涙で何も始まらない
涙で僕は駄目になる

思い出

うす暗く窮屈で
明るく光るのは思い出ばかり
今更帰りたくはない
どうせただの思い出だから

少し振り向いて見てみたら
少し良くは見えたけれど
今更帰ったところで
なじむものなど有る訳もなく

居場所なんかどこにもないよ
どうせただの思い出だから
探す気にもなれないよ
どうせひとつの思い出だから

吠えない犬

犬が蠅に叩かれて
犬が蠅に殺されて
犬が一匹戦えず
犬が一匹歌えない
蠅は心を喰いつくし
犬は隙間だらけカゴの中
きっとカゴは破れない
うじ虫に毒を飲まされた
犬が一匹笑えない

犬が蠅に追いかけられて
犬が蠅を殺せない
犬が一匹届かない
犬が一匹うそぶいた
蠅は声を出させない
犬はゴミ溜めカゴの中
カゴの隙間が隠れてしまう
ウジ虫ごときににらまれた
犬が一匹声もらう

雨の中

雨を楽しむ女がポツン
雨に映える女がポツン
雨の中ぼんやり眺めてる

雨が止んだらどこにいる
雨の似合う女はどこに
雨に濡れた女はどこに

空が晴れたらどんな顔
空が晴れたら濡れた服は
雨の中、悲しみじゃなくてせつなさを

あふれるあふれる

あふれる あふれる 言葉が全部
あふれる あふれる 心が全部
あふれる あふれる 思いが全部

なんだかうまくいきそうだ
全部うまくいきそうだ

あふれる あふれる 今が全部
あふれる あふれる 僕が全部
あふれる あふれる 本当に全部

止める事など必要ないんだ
止まるわけなどないようだ

イコール1

ふたつの思いの楽しみよりも
ひとつの思いの嘆きを知りたい

ふたつの苦い努力よりも
ひとつの楽な天才になりたい

1プラス1イコール1
1プラス0イコール1

想い

壊れちまったらいいのにな
全部残らず
世界がひっくり返ったら
俺はタバコに火をつけて
知らん顔をしていよう

変わっちまったらいいのにな
とても早く
人生がひっくり返ったら
俺はアルコールを飲みながら
酔ったままでいよう

狂っちまったらいいのにな
もっと限りなく
夜が壊れてしまったら
俺は黒いペンキで太陽を
塗り潰してしまうだろう

言葉

言葉ってやつはいいかげんだ
だから僕はいいかげんになる
言葉であいつを騙してやろう
とことんみんなを騙してやろう

言葉ってやつは哀しくて
だから僕は哀しくなる
言葉であいつを泣かせてやろう
とことんみんなを泣かせてやろう

言葉ってやつは乱暴で
だから僕は乱暴になる
言葉であいつを叩きのめしてやろう
とことんみんなを叩きのめしてやろう

だから僕は言葉を武器にする
だから僕は言葉を逃げ道にする
だから僕は言葉を叫ぶ
だから僕は言葉を信じない
だから僕は言葉を好きになる

雲の向こう側

雲のすき間の宇宙を覗く
僕には何にも見えないみたい
今の僕には重すぎる

雲のすき間に入り込む
僕には思いもつきはしない
今の僕にはきつすぎる

雲の向こうで泳いでみたい
僕はきっと溺れてしまう
今の僕には辛すぎる

雲の向こうに突き抜けたい
僕は静かに時を数え上げる
今の僕にも少しは分かる

あきらめ

狂った朝は死人の吹きさらし
冷たく心はひえたまま
路頭にさまよう嘘の群れ
いつ消えてしまっても変わりなく

狂った昼は偽善の吹きだまり
苦しく胸はしめつけられる
吐き気をさそう黒い腹
いつ無くしてしまっても変わりなく

狂った夜は色涙の吹きさらし
とぎれた思いはうちつけて
完膚なきまでの無のかけら
いつ捨ててしまっても変わりなく

立っていたい

立っていたい
涙が涸れてしまったら
立っていたい
胸が張り裂けてしまったら
立っていたい
夢が終ってしまったら
立っていたい
恋が破れてしまったら
立っていたい
足が足である以上
立っていたい
時が時である以上
立っていたい
太陽が太陽である以上
立っていたい
海が海である以上
立っていたい
誰が壊れてしまっても
立っていたい
僕が壊れてしまうまで
立っていたい
誰が泣いてしまっても
立っていたい
僕が泣いてしまうまで

春が来た

なまぬるい春が来た
窓の外は曇り空
追い立てて来る甘い匂いが
そっと窓を突き差した

甘っちょろい春が来た
走り出す前に

ほこりかぶって春が来た
のんびりした時間の中
這い回るやわらかなつぶやきが
さっき窓を突き差した

甘っちょろい春が来た
訳も分からずに

すぐそこで

どこかに潜んでいる
あの遠すぎた夏が
淫猥な香り 絡み付いた想い 焼け付く風
すぐそこできっと足音を殺しながら

どこかに潜んでいる
あの遠すぎた夏が
なけなしの時 切れて行く想い 冷たい涙
すぐそこできっと足音を殺しながら

どこかに潜んでいる
あの遠すぎた夏が
くすんだ輝き 突き刺さる想い 鈍い太陽
すぐそこできっと足音を殺しながら

LOVE SONG

LOVE

LOVE

LOVE

思えば大きくなりすぎて
捨ててしまえば突き当たる
安物にすり変えられた
ジョンの声

LOVE

LOVE

LOVE

行けば行くほど終らずに
越えてしまえば突き当たる
色褪せるはずもないんだ
僕の声


秘めごと

神秘な秘めごとほど
けちくさいものは無く
届かぬ想いほど
空しいものは無く

穏やかな時ですら空気は重たくのしかかる

神秘な秘めごとほど
沈み込むものは無く
言わぬ言葉ほど
易いものは無く

穏やかな時ですら台無しになって行くらしい

神秘な秘めごとほど
移ろうものは無く
壊れた想いほど
燃えさかるものは無く

穏やかな時ですら空気は重たくのしかかる

時は人生のかけらです
ほんのちっぽけなかけらです
涙が染み込んだかけらです
笑いが溢れたかけらです
夢が見えたかけらです
自分を写したかけらです
ほとんどの場合は流れていくものです

哀しい朝

コトコトコトコト降る雪の朝
哀しい音色が染み込んだ
今、夢の跡
あっ、後悔の跡

ダラダラダラダラ動きのない朝
狂った幻想は終ってしまった
今、素面
あっ、ひとりきり

ブツブツブツブツ僕のひとり言
恋はすっかり参ってしまった
今、恋しい
あっ、涙の向こう側

プロフィール

tukeji

Author:tukeji

昭和中期の冬に大阪で生まれる
バンド、詩、その他もろもろの真っ最中

<当サイトに掲載されている詩、文書の著作権は全てtukejiに有ります。無断転載、複製は固く禁じます>
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