でも多分

僕は多分いま酔っていたら
こんな素晴らしい歌を聞いて泣いてしまうだろう

僕は多分いま泣きたかった
ちっとも酔っていない自分をたったいま恨んだところだ

酔いつぶれたいが
それほどでもない夜がある

酔いつぶれたいが
まともな夜も悪くはない

多分ここで生きているから

僕は多分いま狂っていたら
こんな素晴らしい歌を聞けずにいただろう

僕は多分普通じゃいられなかった
ちょっとだけまともだった自分が救いだと思ったところだ

狂っていたいが
醒めてしまう夜がある

狂っていたいが
ちょっとだけ楽になれるから

多分ここで生きているから

でも多分

でも多分

でも多分

ここでなかった気がする
いまさらだが

生きているのは

ナイト・ウォーク

もうこのままでいい
もう帰りたくはない
こんな心地良い風が吹いているから
まだ止まずに

こんなに全てが綺麗に透きとおる
眠れずに歩いてた
こんなに青く溶けていく
遠い時間の彼方すら

今夜このまま歩き疲れるまで
何も止まない

今夜このまま歩き続ける限り
何もいらない

もうこのままでいい
もう帰りたくはない
これ以上のわけなど思いつかない夜は

このままじゃ似合いそうもなくて

こんなものただの見せかけで
大事なものなんてここには有りはしない
やさしい言葉ならすぐに用意できる
本当の言葉を飲み込むのは容易い事だ

楽に行くのにこした事はないけど
何だかこのままじゃ似合いそうもなくて

腐っていくのが関の山だ
始まるわけでもなく終わるわけでもなく
涙なんていつでも絞り出せる
堪えきるのが難しい事を知っているから

楽をするのにこした事はないけど
どうせこのままじゃ似合いそうもなくて

無よりも

いまは何もない
ただ無風
好むも好まぬも問題ない
これが幸せと言うのなら
僕は生きる意味を勘違いしているのかもしれないが
そんなもの何の足しにもなりゃしない

僕は欲しくてたまらない
風に吹かれたくてたまらない

痛みなど感じない
まだ無傷
逃げてすかして誤摩化して
これでまるく納まるのなら
僕は生きる楽しみをそのうち忘れてしまいそうだ
そんなもの何の足しにもなりゃしない

僕は欲しくてたまらない
傷をつけたくてたまらない

雨の朝

病むのはうんざり
堪えきれたもんじゃない
全てを濡らしてしまう
外は雨

病んでも始まらない
心を隠したところで
静けさとはほど遠い
外は雨

まだ雨の朝
まだ雨の朝
ずっと言葉すらみつからず

もう一度

昔みたいにと言われても
現在あるのは実に狂いない現実
いつの間にかもう越えた
もう飛び越えてしまった

だけど無理じゃない
ふり返るのは簡単な事だ

もう一度
懐かしさではなくて

いつかのようにと願っても
止まる事もできないやわな現実
雨に打たれた炎のように
もう燃え尽きてしまった

だけど無理じゃない
火をつけるのは簡単な事だ

もう一度
繰り返すのではなくて

どうってことない

なんやねん、こんなもんが
おい、くそったれが

絶望と向き合うために快楽を捨てる

どうってことない
いけるやろ

希望を手に入れるために絶望に浸る

どうってことない
いけるやろ

紙一重のスリルを楽しみたいのなら
欲望の果てを覗きたいのなら
全てを満たしたいのなら

どうってことない
いけるやろ

悪いが俺はここにいる

爽やかで当たり障りもない
楽ではあるが良くもなく
眠気を誘う空気は
全て停めるには丁度よい

だからどうだというのだ
悪いが足らない
それでどうしたというのだ
俺には足らない

流れていく色んな事に
そろそろ少し慣れたはずだが
見える綺麗な物は
こんな心の中には詰め込めず

だからどこへ行こうというのだ
悪いが行けない
それでどこへ行こうというのだ
俺には行けない

悪いが俺はここにいる
向い風を受けたところで

まだこのまま

消えかかった魔法にすがるのはもうよそう
走りきった果てはこんな所じゃなかったはずだ
すっぽりと眼の中に入る景色さえ抱え込みたくはない
もしも世界の終点がここだとしても

まだこのまま止まれない訳で
まだこのまま諦めきれない訳で

この心の中に突き刺さってくるのはこんなものじゃなく
もっともっと遠くてもっともっと近いもの
きっとこれから先も上手くは言えないのかもしれない
もしもこの道がずっと続いたとしても

まだこのまま醒めない訳で
まだこのまま誤摩化しきれない訳で


あてなどないけど

風の匂い
夜の匂い
いつか覚えた匂い
僕は確かにかぎつけている
あてなどないけど

壊れるまで
くたばるまで
綺麗さっぱり消えるまで
僕は下りるつもりはひとつもない
あてなどないけど

なんて伝えよう
いま握りしめたこの思いを
なんて伝えよう
解き放つ前のこの沈黙を

あてなどないけど

一方通行

傷つけることに長けたこの手で何が守りきれるのだろう

優しさはただの飾りものに成り下がる

だけども傷つけることもできないままでは

飾りものどころではなくなってしまうらしい

下らん世界だ一方通行
振り向きもできはしない

どこまで続く一方通行
優しさの安売りはもうたくさん

歩き出すならこんな夜に

歩き出すならこんな夜に
いやというほどの幸せと少し足りない孤独を抱えて
捨てたものを取り返すのは大した事じゃない
取り返したものを捨てる事に比べれば
自由に奔走するのはそんなに辛い事じゃない
楽な不自由に慣れてしまう事に比べれば

歩き出すならこんな夜に
全てが見えている間に
全てが聞こえている間に
全てがわかりきっている間に

歩き出すならこんな夜が丁度良いんだ
多分こんな夜が

少なくとも僕は

時の流れは残酷だと嘆いているのは誰でした
いまさら止まらないことくらい随分前から知っていた
少なくとも僕は
逆行しながらも
まだ生きている間違いなく

時の流れは素晴らしいものだと感付いていた
ここから放棄してしまうほど馬鹿げた頭は持っていない
少なくとも僕は
倒けはしない
まだ生きている間違いなく

とてもじゃないがこのままじゃ

勝手に進んで行く
この思いとは裏腹に
ブレーキ効かぬ刹那
行き過ぎたままもう戻れずに
彷徨ってみても答えがないのを知っている
埃のような願いはただ宙を舞う

とてもじゃないがこのままじゃ
どこかでとっくに日が暮れる

とてもじゃないがこのままじゃ
みえないところに日が昇る

終われない夜のために

この酔いを醒まさないように
何度も天国を覗いてみる
すべてはそう、終われない夜のために

この声が嗄れてしまうまで
絞り出すのも惜しくはない
すべてはそう、終われない夜のために

夜の果てはまだ見えず

夜の果てはまだ知れず

終われない夜のために、いまはただ

熱が冷める頃

熱が冷める頃
ふと足下を確かめる
いつもの居場所はここにあって
いつもの言葉がここにある

だけどそれに代わるものもない
いつまでそれを守りきれるというのだろう

熱が冷める頃
ふと立ち止まる
いつもの居場所で
まだいらだちまぎれの言葉を続ける

プロフィール

tukeji

Author:tukeji

昭和中期の冬に大阪で生まれる
バンド、詩、その他もろもろの真っ最中

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