はぐれていたい夜の

絞り出す言葉に何の意味があるのだろう
溢れ出す言葉を僕は信じている
格好なんて問題じゃなかった
何時だって匂いが必要だった

はみ出しそうとする感情をそんなちっぽけな穴の中に埋める事はできない

馴れ合いまみれの共有なんかじゃ僕を何処へも連れて行けはしない

こんなにもはぐれていたい夜の感情を
どんな言葉に置き換えられるのだろうか

どこまでもはぐれていたい夜の僕を
いったい何が抑えつけられるのだろうか      

あっ、無力

いつだったのだろうか
この始まりは
知らず知らずに
事は進んだ
僕らの手も届かないところで
事は終わる

巻き込まれてしまったのは
偶然だと笑う
本当は必然だと
知っているのに
この声は結局のところ意味を持たない
虚しさの果て

あっ、無力
馬鹿馬鹿しい誤魔化しだけが大手を振ってら
あっ、無力
馬鹿馬鹿しい今ここじゃこんな事で誤魔化してら

何十回目の晩夏にて

吹き荒れる風は汗ばんだ季節の匂いをさらって行く
熱の冷めたプール・サイドの夕刻に微笑む顔を失くした天使たち

もうすぐ終わるから
もうすぐ始まる新しい季節のために

何も無かった訳ではないが何かを手にした訳でもない
贅沢な輝きは永遠の光を放つ事はなくやがては消え失せていくだろう

心配なんて必要ないから
安心するほど特別なものでもないから

ただ繰り返す
幾度となく味わったさよならを
このどうしようもないほどの晩夏にも

だからこそ僕はまだくたばってはいない訳だ

風が唸る夜は

真っ昼間のあの華やかさは影を潜め
五分前の笑顔さえただの夢に思えて

早く帰ろう
こんなところには居たくない
もう帰ろう
風が唸る夜は

明日の事ならもう大した事じゃない
五分後の未来なんて知りたくもない

早く終わろう
こんなところには何もない
もう終わろう
風が唸る夜は

過ぎて行くのは夏の一日

僕の夏が色褪せて行く頃に
僕の知らない遠い空にも終わりがやってくる
もう何十回と出会ったこの感じに胸をつまらせ
何十分の一の特別な今日をありったけ抱きしめる

何時覚えたのか定かではないこの酔いは
僕だけが知っているその温もりにも似て
締め付けられるほどのこのせつなささえも
待ち構えているはずの期待感をいつも越えては行けない

当たり前だが季節が過ぎる
また僕は愚にもつかぬ言葉を並べる

たかが季節の変わり目に
けじめすらつけられない言葉にすがる

想いも置き忘れ
ただ過ぎて行く
数えきれない夏の一日が

太陽がいっぱい

まだ醒めやらずに
行ったり来たり
ぼんやり見上げてみたら
そこら中を朝日が照らして

やっと醒めてはみたものの
ただ風が凪ぐ
気の利いた言葉も見当たらず
気怠いだけの昼日中

たどり着いたのか
たどり着けないのか
まだ僕はわかっていない
そこら中が夕日に染まっても

ああ、今日も太陽がいっぱいだ
ああ、世の中は太陽がいっぱいだ
ああ、一日中、太陽がいっぱいだ

何をするやら

こんなにも窮屈な場所で
ひしめき合っている無数の感情は
やがて知らぬ間に淘汰されてしまう

心地良い空気を流し込むために
殺されてしまう飛び抜けた異分子
残っているのはたよりない安心感

何をするやらぬけぬけと
嬉々の爆発が半端だってことにまた耳を塞ぎ

何をするやらのうのうと
生の煌めきが危ういってことにまた目を瞑る

世界と俺は今

まだ足らん
ちっとも足らん
だからまだ続く
これでいいのかとぼんやり思ったが
これで終われるのかとせつなさ覚えたが

世界はまだまだ広かった
俺はまだまだ収まらなかった

くたばり損ない
くたばる意味なし
生き急いではいない
何ができて何ができないのかと
判ったつもりで上手くいってるつもりで

世界はそんなものじゃなかった
俺はそれどころじゃなかった

次々と

突き抜けろ
どこまで行くかは知らないが
くたばらないこの想いは調和を拒む

痛みさえ届かなくなる前に
次々と

転げ落ちろ
手を滑らせてもかまわない
楽に過ぎて行く薄っぺらい現在から

何もかもが生まれては消える
次々と

終わる事を知らないこの無様

夕暮れに言葉がとても重すぎる

のしかかってくる痛みや苦しみや苛立ちや悲しみが
どんどんとふくらんでいくようで
少し口を閉じていれば済む事かもしれないが
抑えつける言葉はすぐにでも使い物にならなくなってしまい
忘れたふりする思いは止め処なく熱が引く

何ひとつ信じていないのではなく
何かひとつを信じているから
この口を開く

吐き出した思いが夕暮れに染まる
何もかもあきらめていないから
また言葉にしてしまう
プロフィール

tukeji

Author:tukeji

昭和中期の冬に大阪で生まれる
バンド、詩、その他もろもろの真っ最中

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